部屋に埋もれていた本を発掘…一体いつ買ったんだろ。

きっとタイトルに惹かれたんだろうなぁ。

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小川糸著『食堂かたつむり』

先日、札幌へ帰るときの友としました。

3分の2ほど読んだ辺りで気が付きました。あっ、コレ映画になっているね。

なぁ~んとなく、うっすらとストーリーに覚えがあって、妙な気分であったのです。

それにしても、かなり読んでからようやく気が付くとは情けない…

とても印象に残った一節をご紹介。

「人は、いつも澄んだ気持ちでなんていられない、と思う。

みんな、濁り具合の程度の差こそあれ、心の中を満たしているものは泥水だ。

(中略)

だから私はその泥水をきれいに保つため、なるべく静かにしていようと決めた。

水の中で魚が動き回れば濁った泥水になってしまうけれど、

心を穏やかにしていれば、やがて泥は下に沈み、上の方はきれいな水になる。

私はきれいな水でいたかった。」

なるほど…トシととるにしたがって、

静かに、心穏やかに日々を送りたいと思う気持ちが強くなってきたのは

心の下の方に沈殿している泥をかき回したくないからなんだね。

自分のばあい、長いこと溜めてきた汚泥だから匂いもきつそうだし…納得。

(すっかり忘れていたけれど)映画で観たから…ではなく

やはり原作をしっかり読んでおくことはいいものですね。

と、思った夏の読書。